東京高等裁判所 昭和36年(ネ)1141号 判決
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〔判決理由〕2、被控訴人の本件特許権侵害行為の有無について
<証拠>を総合すれば、被控訴人は、昭和四一年ごろまでの数年間にわたり、
イ、別紙物件目録中第二目録記載の物件を製造し、マルマンフレックスの商品名で国内、国外に販売し、
ロ、別紙物件目録中第一目録記載の物件については、そのうちの第何号に該当するかを特定するに足る疏明資料がないけれども、そのいずれかに該当するとみられる物件を製造販売していたこと、
ハ、右各物件の製造は、訴外のT金属、M工業など下請工場をして行なわせていたこと。
二、別紙物件目録中第一目録記載の物件よりも、第二目録記載の物件の方が、大量に、かつ長期間にわたつて製造・販売されたこと、
以上の事実が疏明される。(もつとも、被控訴人が、昭和三九年九月二四日当時において、別紙物件目録中第一目録の第一二号および第二目録の第一三号に記載の各物件を製造・販売していたことは、当事者間に争いがない。)
しかしながら、<証拠>によれば、その後腕時計バンドの流行がかわり、本件特許権の実施品や別紙目録記載品のようないわゆる伸縮時計バンドは需要が減つたため、被控訴人は昭和四一年ごろ下請各工場に対する前記物件の製造注文をやめ、現在では右物件の製造・販売・拡布をしておらず、在庫品ももつていないことが疏明され、これに反する疏明資料はない。
したがつて、別紙目録記載の物件が控訴人の本件発明の技術的範囲に属するかどうかを論ずるまでもなく、被控訴人が現在右特許権の侵害行為をしているとはいえない。
3、そして、本件特許権の存続期間が(その出願公告の日である昭和二九年六月三日から一五年後の)昭和四四年六月三日をもつて満了し、同日の経過とともに特許権が消滅することにかんがみ、被控訴人に本件特許権の侵害行為をするおそれがあるということもできない。
4、そうすると、控訴人の本件仮処分申請は被保全権利の疏明がないことに帰着し、これを却下した原判決は正当であるから、本件控訴を棄却……する。(古原勇雄 杉山克彦 楠賢二)